エアバッグシステム
2015年5月14日某〇日新聞の記事によれば,
≪前略≫
①インフレ-ターは筒状の金属容器でエアバッグをを膨らませるガス発生剤が内部に入っているが,容器表面のガス噴出口が劣化していた。外気が入るとガス発生剤が変質し衝突時に異常燃焼する恐れがある。
≪中略≫
②〇〇〇製エアバッグをめぐっては,衝突時にエアバッグが破裂して金属片が飛び散る恐れがある・・・
≪後略≫
エアバッグの何が問題なのでしょう。
エアバッグのシステムは,インフレーターと言う部分と,実際に膨らんで衝突の衝撃を和らげるエアバッグの部分にわかれます。
そして,問題は前者のインフレーターと言う部品に問題があると言ってるのですね。
インフレーター(膨張装置)・・・・ガス発生剤を爆発させることで,エアバッグを膨らませる部分。
この装置はどんな構造になってるのでしょう。
- 中心部に引火性の高いガス発生剤。
そして,それは,引火性が高いため外気に触れないようにアルミ容器に格納されている。
この容器は,数十ミリの高さの円柱状になっており,上部の中心部分がへその様に凹んでいて,この部分に点火装置が挿入される。 - その周りに上下を樹脂でサンドイッチし,何層にも重ねられたステンレス製のドーナッツ状のフィルター。
それをステンレスの容器でさらにサンドイッチ。- ガス発生剤のガス発生時に包んだアルミ容器が飛び散らない様にするため。
- ガスが均等に出るため。
- そして,それを包むステンレス製の容器 に大きく分けられます。
そしてそれらは,いくつもの生産工程の中で,爆風で外れないよう溶接されます。
- 新聞記事を見ながら考えてみましょう。
- ①に関に関して
- ガス発生剤は非常に引火性が高く,周辺の装置は全て帯電しないような処置が施され,防爆仕様の非常に厳しい管理の中で生産されます。
それは,非常に引火性が高く危険なためです。
容器に注入後のエアバッグシステムとして稼働してる時は,外気に触れることが絶対あってはならない。
外気に触れることがあれば,ガス発生剤の変質は当然考えられますが。
ガス発生剤は密封された状態で使われるため,外気に長時間さらされた場合の検証はされていないと思います。
外気にさらされているときの大きな問題は,意図しないときにガス発生剤に引火する危険がある。
ですから,基本的にガス発生剤は完全に密封されていることが前提だという事です。
当然その回答は,
「外気が入るとガス発生剤が変質し衝突時に異常燃焼する恐れがある」程度の物でしょう。
それより,ガス発生剤を閉じ込めておくはずのアルミ容器に隙間がある。
あるいは開いていたということは,重大な問題だと思うのです。
とても引火性が高いから密閉している。
それが密閉されていなければ,当然ガス発生剤が,車の衝突以外の時でも,引火する危険性が高くなる。
それは,つまりエアバッグが何の予告も無く突然開くという事ですね。
もっとも細心な注意を払って製造すべき部品。
その製造工程に重大な問題が潜んでいると言わざるを得ないでしょう。
- ②に関して
- フィルターが何故フィルターの役目を果たさなかったのか。
フィルター自体の強度が弱いか,ガス発生剤のガスの噴出が強すぎ破壊されたということになる?
①の製造固定のずさんさから考えるにガス発生剤を容器に詰め込む工程に問題があるように思えるのです。
やはり,①の問題に起因して発生したトラブルだと思われます。
下の写真はインフレーター(小)のフィルター部分です。

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