光束って何?7
発光元の光の強さや明るさ等の量を表す単位には,2つのの表し方があります。
光をエネルギー(純物理量)として扱う放射量と,放射量と人の目の感覚を考慮した測光量(心理物理量)です。
それぞれこう定義されています。
光束って何?3
光束とは,放射束(光の物理エネルギー量)に人間の目の光に関する感度を考えあわせたもので,単位はlm(ルーメン)であらわされます。
じゃ放射束って何?
カッコ書きで光の物理エネルギー量と書きました。
ここで言う物理エネルギー量とは,人が目で見て感じる光の量ではなく,光(電磁波)が持ってるエネルギー量を言います。
たとえば,赤外線や紫外線は人の目で感じることはできませんが,エネルギーを持っています。
赤外線と紫外線?
赤外線は,可視光(人の目で感じる範囲の光:電磁波)より波長が長く光のスペクトルで赤より外側にあるので赤外線と呼ばれています。
紫外線においても,可視光より波長が短く光のスペクトルで紫よりも外側にあるので紫外線と呼ばれています。
これが名前の由来なのです。

これらがエネルギーを持っているという事は。
赤外線で言うと,
対象物に熱を与える熱源としての遠赤外線(熱線)。これが放射や輻射する暖房や調理器具を考えていただければわかりやすいと思います。遠赤外線が対象物に対して仕事をしてると考えていただければいいです。
あるいは家電製品のリモコン,赤外線センサーや赤外線通信などにも応用されています。
「調理器具や暖房の電気ストーブやオーブントースターは目に見えるじゃない?」
それは,燃焼を伴う器具の場合,温度が高く波長が短いため,可視光の比率が高くなっているので,目に見えると言う訳なのです。
紫外線は,
蛍光管や殺菌などに応用されています。
例えば蛍光管の中ではどんなエネルギーがどんな仕事をしてるかと言うと(図1参照)
光束って何?2
蛍光管の中には低圧の封入ガス(アルゴンあるいは混合ガス)と微量の水銀が封入されていて。
点灯のときに,
①電極(陰極)に電流を流して予熱すると,
②電子が放出され反対側の,
③電極(陽極)に引かれて移動し放電が始まります。
放電により移動する電子は,
④ガラス缶のなかの,
⑤水銀原子と衝突し,水源原子は電子のエネルギーを受け,
⑥紫外線を発生します。
ガラス管内に塗布された,
⑦蛍光物質は紫外線のエネルギーを受けて,
⑧可視光線を発生させます。

赤外線,紫外線もエネルギーを持ってると言う事がご理解いただけましたでしょうか。


そして,こういった放射束(純物理量)を基にするしか,見た目により近い数値としての測光量(心理物理量)。
つまり,光束として定量的に表すことができない。
というのがちょっとややっこしくしている原因なのだと思います。

結論から言ってしまえば,光束(lm)とは目で実際に感じる明るさをできるだけ定量的に表した単位と考えていいと思います。
それの全光束ですからLED蛍光ランプやLED電球単体の見た目の明るさの指標ということになります。
LEDランプやLED電球を選ぶ際は,この全光束の値で選べばほぼ間違いはありません。

あくまでほぼですけど・・・。
ここがランプ単体の選び方の難しいところです。


ここ数年でLED電球・LED蛍光ランプやLED照明器具に関する規格化が進み,最低限確保すべき性能規定の標準化に拍車がかかっています。
そして,LED電球・LED蛍光ランプやLED照明器具を選ぶ際にこの規格を基に選ぶことができる様になってきました。
明るさ・省エネ・耐環境性能(意外と見落とされてます),この3つをクリアしなければ,電球や蛍光灯と比較して高価なLED電球・LED蛍光ランプやLED照明器具を購入して失敗することになります。
それは今後記述しupしていく予定です。


これからそのややっこしい部分に触れていきたいと思います。

ちょっと脱線して
光とは電磁波の一種と一般的に言われています。
光ありきで電磁波が光の一種だと証明されたと言った方がいいのかもしれませんが。
光(電磁波)には波があり仕事をするエネルギーを持っている。って考えればいいと思います。
ですから放射束の単位はW(ワット)であらわされます。
つまり単位時間当たりの仕事量[ジュール毎秒:J/sec ]という事ですね。
厳密にいうと単位時間内にある面を通過する放射エネルギー量という事になります。
光はですね振動しながら何か一生懸命仕事してるのです。
それが熱になったり,何らかの形でエネルギーに変換されてる。

まとめると。
光を物理エネルギーとして扱うのが放射量。
そして,それを定量的に表したのが放射束と言うことになり,単位はW(ワット)で表されます。
人が目で見て感じる光の量を光束(放射量に人の目の感覚の特性を考慮した量)で,
放射束と測光量を考慮して定量的に表した量で,上述したように単位はlm(ルーメン)で表されます。

じゃ測光量はどうやって表すの?
測光量の表し方の前に
人の目がどれほどのものか確認しておきましょう。
人の目の感度は一般的に380~780nmの波長の光を感ずることができます(図2参照)


nmってなに?
nmとはナノメーターと読み10-9m
1 nm = 0.001 µm = 0.000001 mm=0.000000001m
です。

光(電磁波)の大まかな特徴を図2にまとめてみました。
コラージュ15
図2の説明をしましょう。
可視光とは,
人が目で感じる光の範囲を言います。
波長とは,
呼んだとおりの波の長さです。
波の頂点と頂点の間隔が長ければ波長が長い,短ければ短いと表現します。
マイクロ波、テレビ波などは波長の長い側。
X線、ガンマ線などは波長の 短い側の光(電磁波)と言います。
周期的に振動する波(周波数)と考えてください。
次式が波長と振動の関係です。
波長と振動数の関係1
    周波数と波長の変換
 波長が短い(振動数が多い)ほど、波のエネルギーが大きくなります。
振動数が多くなれば仕事量も大きくなるという事です。
例えば、 紫外線は可視光、赤外線よりも大きなエネルギーを持っています。
大きなエネルギーという事は,つまり皮膚にあたるとその細胞の遺伝子を破壊し、ガン化を引き起こしたりするという事です。

標準比視感度曲線とは,見える明るさの度合いと考えていいと思います。
縦軸:一番明るく感じる波長の光に対して感ずる明るさを1とした時の,同じ強度の光の波長に対する視感度(見た目)の比。
横軸は光の波長を表してます。

つまり人の目で見える光とは,
同じエネルギー量の光においてはグラフ内で表しているように460nm付近の青色だと555nmの緑色に比較して10分の1以下の明るさにしか感じないという事なのです(グラフ1参照)。
目の光に対する感度は光の波長により違っているということですね。
光束って何?5
グラフ1の標準比視感度曲線と光スペクトルを見比べてみてください。
色で明るさの感じ方が違うのがわかるとおもいます。
感覚的にですけど,納得できるのではないでしょうか。


明所視とは,
ものの形と色がはっきりわかる状態をいい。
人の目はこの時555nmの光を一番明るく感じます。
標準比視感度はこの時の相対発光強度を1として曲線にしたものです。
暗所視とは,
ものの明暗だけがわかる状態をいいます。
この時は人の目には507nmの光を一番明るく感じるので,この時の相対発光強度を1として曲線にしています。
このほかにものの形と色がいくらかわかる状態の薄明視と言っています。
一定の順応状態とは,一定の明るさの中で目が慣れた状態のことを言います。
光束って何?6


明るい場所(明所視)と暗い場所(暗所視)でも,こんなに目の感度が違うんですね。


じゃどうやって光の物理量を測光量としての光束に変換?
人の目の持ってる特性を数値化し,各波長における標準的な人の目の係数として使おうと考えたのがこの標準比視感度なのです。
そして明所視の一番明るく感じる波長を最大の1とする。
つまり100%と考えて目の感度を百分率で表現したのです。
見えない波長を0%。
もっとも明るく見える波長を100%とし。
その間のそれぞれの波長を見える度合いの百分率で表したのです。
それぞれの波長が,一番見える周波数に比較して何割に見えるかという事です。
光束って何?1


だからそれぞれの波長の純物理量の放射量に,この見える度合いをかけてやれば,定量的に表すことができるはずです。

放射束:Φe[λ]
標準比視感度:Ⅴ[λ]
比例定数 Km = 683[lm/W]
比例定数Kmとは,最大視感効果度といい,
V(λ)=1となる波長(λ = 555nm)において測光量と放射量を関係づける値であり
比例定数 Km = 683[lm/W]と規定されています。(1979年:第16回 国際度量衡総会)
とした時
測光量=Km×Φe[λ]×V[λ]
の式が成り立ちます。

測光量=Km×Φe[λ]×Ⅴ[λ]に,
例えば555nm単色光のLEDの場合
①波長が555nmの相対発光強度は,それぞれ標準比視感度が1.0。
555nmの白色LED1W(わかりやすいように物理的放射束1Wの光と仮定します)の光束は
683×1[W]×1.000=683[lm]
450nm単色光のLEDの場合
②波長が450nmの相対発光強度は,それぞれ標準比視感度が0.05。
450nmの白色LED1W(わかりやすいように物理的放射束1Wの光と仮定します)の光束は
683×1[W]×0.05=34.15[lm]
となります。

てそれぞれLEDが持っている発光スペクトルの各波長とこの標準比視感度の各波長を掛け合わせたものがそれぞれの波長での光束であり,そのすべてを積算したものが全光束となります。

光束って何?4

各波長の標準比視感度係数を掛けて足し合わせるという事は,

全光束積分

可視光の範囲で積分すると言う事になります。
つまり,グラフ4の棒グラフで表される部分を全て足し合わせることで,全光束を求めることができるという事です。